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フロストヘイヴンの歴史
フロストヘイヴンの創建は、わずか五年前のことです。それに先立って何度か北方への探査隊が送られましたが、戻って来られた者は「あの土地は人を寄せつけない」と語りました。それでも年々、領土拡大への欲求は高まりました。やがて商人ギルドは「陸路で首都《白楢》により近い港湾部に、東の太洋への出先となる港町を作るのは、価値ある賭けとなる。手つかずの資材を発掘できる可能性もある」との判断を下しました。この北方遠征に関しては、商人ギルド内のクワトリルの小派閥が「かの地の古代遺跡には、いわくがある」等と熱心に働きかけたせいとも噂されています。
商人ギルドは拡張のための足がかりとして、北方の本格的な入植地の創設のために、大枚をはたきました。総計三百名の兵士と北方労働者。食料と物資と建築資材を山と積んだ四十台の馬車。その夏のあいだじゅう、街を築き上げるに足るだけの追加物資を、その入植地へ送り続けたのです。幾度か先住種族との衝突はありましたが、簡単に撃退できました。
冬が来ると帝国街道は凍てつき、フロストヘイヴンと首都との間の交流は途絶えました。驚くべきことでもありません。ギルドは「街は自力で一冬をしのげるだろう」とたかをくくっていました。そこから到来するものについて、何ら予想していなかったのです。
冬のあいだじゅう、絶え間なくアルゴックスが襲ってきました。創建初期の襲撃は単なる偵察に過ぎず、冬将軍の到来を待って本格的な侵攻が開始されたのです。雪解けが訪れ、街道が再び通れるようになると、街は荒れ果て、住民はほぼ死に絶えていました。商人ギルドにとってより深刻な問題は、かの北方において、価値あるものが何一つ見つかっていないことにありました。そこでさらなる兵士と物資を送って街を支援しましたが、結局はドブに金を捨てたようなものです。ギルドのメンバーのあいだでも意見の対立が深刻になりました。
そんなことが更に四年繰り返されました。夏には進歩がありましたが、冬には払拭されてしまうのです。年々このプロジェクトへの熱意は薄れ、支援額は減りました。希望の象徴だったフロストヘイヴンは、お荷物に成り下がったのです。今や支援者全員が疲弊していました。厄介者や無能力者の流刑地となり、配属は「生き残る望みのない重罰」とみなされるようになりました。
五年が過ぎ、創建時の遠征隊員は、おおよそ死に絶えました。市長や衛兵隊長といった重職は頻繁に交代となり、理想をもってその職に就こうとする者など、いないに等しいのです。ところがついに、この北の地で起きたあらゆる恐るべき出来事をつぶさに目にし続けた、当初の入植者の生き残りである女兵士が立ち上がりました。往生している全住民を生かし続けるには、真のリーダーシップが必要です。その名はサーサ。みずから市長と衛兵隊長を兼ね、幾冬ものあいだ誰よりも苛烈に戦い、人々の命を守り続けたのです。
再び街道が開通すると「この瀕死の入植地が息を吹き返すのではないか」という一縷の望みを胸に、商人ギルドは最後の支援を開始しました。とはいえ、それは形ばかりに近かったのです。仮に無能であったとしても、これ以上かの北方に白楢の信徒を送って失い続けるのは、余りにも社会的影響が大きすぎます。罪人や虜囚を送りつけることも考慮されましたが、何も送らないより悪い結果をもたらすでしょう。いえ、最後の手段がありました。傭兵部隊です。落ち着くべき場所もない、金目当てで運任せな哀れな連中。仮にこの最後の策がうまくいかなければ、実験は失敗とみなして支援を引き上げ、残る者は寒冷の地で死ぬに任せることとなります。
大楢教団とフロストヘイヴンについて
この主大陸には他にも多くの宗教が点在していますが、遥かに広く崇められているのが大楢です(特に人間のあいだで)。
言い伝えによれば、かつて何世紀ものあいだ、大きな人間の集団が、帝国山脈の地下洞窟で暮らしていました。先祖伝来の物語をひどく恐れ、魔神が闊歩する地上など怖くて出ていけなかったからです。それでもついに這い出てきたとき、最初に目にしたものが、丘の上の楢の大樹でした。
人々は引き寄せられるように、そこを避難所にしました。そのドングリと枝に止まる鳥を食べて飢えをしのぎました。その枝や付近の若木を使って家を作りました。大樹の腕のような枝葉の陰にいると、魔神どもは寄ってきませんでした。穴居生活より暮らし向きはかなりよくなり、みな幸せになりました。
そんな自然な流れで「この大樹はには知性があり、みなを見守っている」と崇められるようになりました。常に敬意を払われながら、この大樹を中心に都市が築かれました。この街は《白楢》と呼ばれ、人類文明の首都となりました。この大樹は現在でも活き活きと枝葉を繁らせ、どの建物よりも高く聳え立ち、辺りの住人を変わらず見守っています。
「ただの木にすぎない」という者もいますが、それはおそらく間違っています。あるいは最初はそうだったのかもしれませんが、この世界において信仰というものは、実際に大きな力を生み出します。信者たちの憧憬と崇拝が、あるとき異次元からのエネルギーを、大樹とその住民の元へと呼び寄せたのです。このエネルギーが人々を助ければ助けるほど、賞賛と信仰は高まり、結果としてさらなるエネルギーを呼び寄せました。大樹に宿ったのは慈悲であり、そのドングリを植えて育った地方の木々にも同様の力が授けられ、信仰を集めました。教えに忠実にしたがい、神殿を維持する《樫の守人》は、実際に大楢の名において神聖なる力を発揮できるのです。
その大楢の教えとは? 信仰者のあいだで、多くの慈悲のかたちが育まれてきました:他者に敬意を以て公平に接すること。部下を助け守ること。傷つけないこと。けれどその勅令には暗黒面もあります。教団を大きくし、大陸じゅうに教えを広め、機会あらばそのドングリを植えるよう信者に推奨しているのです。大楢の名のもとに人類の版図は飛躍的に拡大し、アイノックス、ヴァームリング。ヴァルラスとの長年にわたる数知れぬ紛争を生みました。傷つけないという教えに真っ向から反するものであったにもかかわらず。
人類の拡大欲は留まるところを知らず、最近になってフロストヘイヴンすなわち《氷霜港》という名の入植地ができました。それによってアルゴックス(アイノックスの北方亜種)、ラーカー(潜む者)、アンフェッタ―ド(解き放たれし機械)との更なる紛争が起きたのです。大きく育って人々を守ってくれるようにと、街の中心には楢の苗木が一本植えられました。けれどこの新たな入植地の人々が従うべき教えとは、いかなるものでしょうか? 和解の道を模索する? あるいは自分たちの脅威となる全てのものを叩き潰そうとするのでしょうか?
グルームヘイヴン世界の時間単位
そこは地球とは異なる星ですが1日は24時間です。分や秒も同じです。
1年は30週で、1週間は(7日ではなく)10日です。
月は月齢に基づき、1月は30日(3週間)で、1年は10ヶ月です。
つまり1年は300日であり、地球より若干短くなっています。とはいえ、さほど感覚に違いはないでしょう(たとえば46歳の人物は、地球では38歳となります)。
10の月名は、穴居生活をしていた頃の人類文明の“長”の名の略号となっています。順にアルン、オルト、イスト、エルド、イング、ゴウ、ピム、グル、ディン、最後に人類を洞窟から地上へと導いたパンです。各月の各週は、順に順に「新」「壮」「老」という前置詞として表され、月名と合成されます。たとえば最初の月では新アルン、壮アルン、老アルンという具合です。
年に明確な季節は2つしかありません。新アルンから老イングまでが夏、新ゴウから老パンまでが冬です。春や秋といった表現は、2つの季節の移行期間として稀に使用されることがあります。
この暦法は、大楢の加護の元、人類の地上生活の開始とともに作られました。始まりは「楢の輝き元年」と呼ばれ、以降、楢輝(しゅうき)の元号が用いられます。『グルームヘイヴン』のキャンペーンは楢輝1957~58年の出来事で、『フロストヘイヴン』は、その1年後の楢輝1959年に始まります。
新有利/不利ルール
- 有利もしくは不利の際、攻撃修正の山の上から、1枚ずつ順に(少なくとも)2枚めくります。
- 最初にめくったのが連続修正カードなら、連続修正が出なくなるまで山の上からめくり続けます。これで最後にめくったのをラスト・カードと呼びます。その後でさらに1枚めくり、これをワンモア・カードと呼びます。
- 最初にめくったのが連続修正カードでなければ、これをラスト・カードとし、2枚目にめくったのをワンモア・カードとします。
- ワンモア・カードには、連続修正アイコンがあっても無視し、そこでめくるのをやめます。
- 不利なら、ラストとワンモア以外の全連続修正カード(があるならそれら)を無効果のまま捨て、ラストとワンモアのうち、より効果の弱いほうを採用します。効果の強さが曖昧なら、ラストのほうを採用してください。
- 有利なら、ラストとワンモア以外の全連続修正カード(があるならそれら)の効果を全て適用しつつ、ラストとワンモアのうち好きなほうを採用します。