日本ボードゲーム界の至宝「鈴木銀一郎」氏がデザイン!
戦国大名カードゲーム「くにとりっ!」は、ボードゲーム界の至宝「鈴木銀一郎」氏がデザインを担当しています。
デザイナーズ・ノート
「くにとりっ!」とは
「デッキ型カードゲーム」とは「デッキ型カードゲーム」とは、ゲーム中にプレイヤーが自分のデッキを成長させていくタイプの 各カードの役割について武将カード
軍団カード
勝利点カード
内政カード
財力カード
デザイナーズ・ノート『ドミニオン』を初めてプレイして、面白いゲームだと思った。 「金をつぎ込んだプレイヤーが勝つ」というTCGへのアンチテーゼとして、「みんな公平な条件でデッキづくりを楽しもう」というコンセプトが素晴らしい。 しばらくはプレイヤーの立場で楽しんでいたが、『ドミニオン-陰謀』が出たところで、分析を始めた。非常に汎用性に富んでいると思った。ただし、欠けている要素もある。 しかし、『ドミニオン』の変形ゲームをデザインしようとはついぞ考えなかった。 せっかく、ゲーム業界が盛り上がっているのに、それに水を差すようなすることはしたくない。 ところが、依頼されてしまったのである。 『ドミニオン』の戦国時代版カードゲーム。 差別化については、考えるまでもなかった。 『ドミニオン』にはキャラクター性がない。ゲームにキャラクター性を導入するのは現在(特に日本では)大流行なのにである。戦国時代版なら、当然、戦国大名を固有名詞で登場する。個々の戦国大名が登場すれば、合戦は欠かせない要素である。その2つを軸にすれば、はっきりした差別化ができるはずである。 いちばん悩んだのは手札の枚数だった。『ドミニオン』は、最初のデッキは10枚で、5枚をドローする。10枚、5枚というのはごく自然に思いつく数で、そのことには著作権は発生しない。 ただし、10枚の内容が3枚の勝利点、7枚の財力という点まで同じにするのはどうなのだろうか。著作権侵害までは行かないかもしれないが、だれだって『ドミニオン』を真似たと思うことだろう。 そこで、先発ゲームに敬意を表する意味からも、手札5枚というのは踏襲すまいと決心した。 では、4枚なのか、6枚なのか。6枚では最初から高額のカードが購入でき、大味なゲームになりそうである。4枚にするしかないと思ったが、それだと展開が地味になりそうだし、運の要素が強すぎることにもなりそうだ。 そこで、手札が増えるのと同様な効果について何かないか考えてみた。 思いついたのは「オープン可能」(製品版では「布陣可能」)というシステムである。「オープン可能」のカードは「軍団カード」に限れば、合戦のシステムも楽になるだろう。 これなら、手札がどんどん増えていき、『ドミニオン』よりも劇的な展開になるはずだ。 システムの中心が決まれば、いよいよカードづくりの段階に入る。 戦国時代のキーワードを挙げ、思考実験をしながら、それの効果を考えていく。 「新田開発」、「楽市楽座」、「検地」、「矢銭の徴収」、「金山」、「関所の廃止」、「名物茶道具」・・・。 軍団カードとして、「鉄砲足軽」、「騎馬兵」、「弓足軽」、「農民兵」、「常備兵」、「天下の名城」・・・。(「常備兵」は後に「槍足軽」となった) 武将カードとして、「織田信長」、「徳川家康」、「豊臣秀吉」、「上杉謙信」、「武田信玄」・・・。 (最初は8枚だった) 『ドミニオン』は25種の「王宮カード」から10種を選んでプレイする。だから、毎回違ったカードの組み合わせが楽しめるというのが1つのウリである。 ただし、わたしは10種に限定するのはプレイ時間コントロールの役目も果たしているのではないかと考えていた。 戦国時代版は武将1人につきイラストが1枚必要なので、そのほかに25種ものカードはつくれない。そこで、全てのカードを使用し、時間コントロールは勝利点カードのみで行うことにする。 合戦については、最初は負けた方にもペナルティがつくというルールにしていた。 しかし、テストプレイをしてみると、ペナルティに拒否反応を示すプレイヤーがほとんどだったので、勝った方だけにボーナスということにした。 こうして第1バージョンができ、去年のJGCのわたしのテーブルで公開テストプレイが行われた。 結果は、おおむね好評ということで、アークライトさんにプレゼンテーションということに。 そこで、出た結論は、どうせ武将を入れるのだから、もう少し合戦を楽しめるようにしたら・・・ということだった。 いわれてみればその通り。武将の数も2枚増やし、さらにプロモカードの挿入も可能ということになったので、そこから改めて大改造。 「若き日の武将」や、「内助の功」をプラスし、ほぼ製品版と同じ形になった。 『戦国大名カードゲーム・くにとりっ!』の最終テストプレイの段階では、相手の出方を見て柔軟に作戦を変えていかなくては、なかなか勝てないゲームになっていたので、狙いは実現できたのではないかと思っている。 お蔭様で売れ行きも好調なようで、このままの勢いが続けば『くにとりっ!2』の企画も考えられるとのこと。 『2』では、「軍団」カードと、「内政」カードのほかに「戦略」カードを導入しようと構想を練っているところである。 どうぞ、ご支援くださるようお願いします。 |
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